結婚式のお呼ばれ 着物マナー

結婚式はお祝いの場であるとともに、式典の場でもあるので、華やかさときちんとした装いが求められます。着物については「格」があり、年齢や新郎新婦との関係性・立場によっても着るものが変わってきます。
今回は結婚式にふさわしい、お呼ばれの着物の選び方をご紹介します。

結婚式にふさわしい着物
→黒留め袖、色留め袖
→振り袖
→訪問着
→付け下げ
→小紋(こもん)

黒留め袖、色留め袖
黒留め袖
①地色が黒の着物。生地には地模様のないちりめんを用いており、すそ部分にのみ模様が入っているのが特徴。
②5つ家紋(五つ紋)を入れるのが決まりとされている。(背に1つ、両袖の後ろと両胸に1つずつ)
③新郎新婦の母、媒酌人婦人、身内の既婚女性の着用がふさわしい

色留め袖
①地物が色もので、地模様がなくすそ周りにのみ柄がある着物。
②家紋の数は1~3つが準礼装、5つの場合は最も格の高い正礼装として黒留め袖と同じ格になる。
③新郎新婦の姉妹、親族、ゲスト。未婚・既婚問わず着用可。

振り袖
①袖の長い正葬礼の着物。
②姉妹、親族、友人の未婚のゲストがふさわしい。
③小振り袖や、成人式で着用する中振り袖を選ぶのがおすすめ。花嫁衣装とされる大振り袖は避ける。

訪問着
①着物全体で一つの絵のように描かれた絵羽模様(えばもよう)がある。
②未婚・既婚問わず女性の準礼装。親族、友人がふさわしい。

付け下げ
①訪問着の模様付けを簡略にしたよそ行きの着物。訪問着に準ずる略礼装。
②親族、友人がふさわしい。

小紋(こもん)
①同じ模様が描かれている着物。吉祥文様や古典柄の場合は結婚式でも着用可。
②親族、友人がふさわしい。
③訪問着や付け下げに比べてシンプルになるので、地味になりすぎないように帯周りで華やかにするのがおすすめ。

合わせる小物
ピアスやネックレス、時計はつけない方が全体のバランスも良く、スマートな印象。
何かを合わせる場合は、かんざしや小ぶりなモチーフなどの上品な髪飾りで華やかにしましょう。

ヘアスタイル
①ミディアムヘア~ロングヘアの場合は、うなじがすっきり見えるアップスタイルにするとすっきり美しい印象に。
②ショートヘアの場合は、着物の華やかさとバランスが取れるよう、トップに適度なボリュームを出すのがおすすめ。

立ち居振舞い
洋服と違い、着慣れない着物は着崩れが心配。着崩れにくいポイントは、腕も足元も小さめに動かすこと。また、次のことを心がけてゆったりと小ぶりに動けば問題なし。
①手を伸ばす
背筋を伸ばし、袂(たもと)の存在を忘れずに反対の手でそで口を抑えるとよい。
②立ち座り
上前(うわまえ。帯より下部分の着物のこと)が崩れぬよう、手を添えるようにする。階段を上り下りする際も気を付ける。
③化粧室を使用した後
前だけでなく、後姿の着崩れの確認も忘れずに。

なかなか着る機会のないお着物について、ましては結婚式という滅多とない場面でのお着物のマナーについてご紹介します。もし譲り受けたお着物をお持ちの方、はじめて近い親族の結婚式に参加する方などの参考になれば幸いです。